贈り物マナー:内祝いとお返しの基本

人生の節目には、さまざまな形で贈り物をいただく機会があります。結婚、出産、新築、入学、快気祝いなど、うれしい出来事に対して「おめでとう」の気持ちを形にして贈ってくださる方々への感謝は、きちんと伝えたいものです。そんなときに重要になるのが「内祝い」や「お返し」のマナー。しかし、実はこれらには「タイミング」や「金額の相場」「贈り方」など、意外と知られていない細かなルールが存在します。本記事では、東海エリア(愛知・静岡)でも役立つ「内祝いとお返しの基本」についてわかりやすく解説します。

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目次

1. 「内祝い」と「お返し」は同じじゃない?

まず、「内祝い」と「お返し」の違いについて整理しておきましょう。

内祝いとは?

本来「内祝い」は、“お祝い事があったことを親しい人と分かち合う”ために贈るものです。たとえば、結婚や出産、新築といったおめでたい出来事に際して、自分から贈る「喜びのおすそわけ」が内祝いの起源です。近年では「いただいたお祝いへのお返し」という意味で使われることが多くなっていますが、あくまでも本来は“先にいただかなくても贈るもの”という点がポイントです。

お返しとは?

一方「お返し」とは、相手からいただいた贈り物やお見舞い、香典などに対する「ありがとう」の気持ちを形にして贈るものです。つまり、結婚や出産などのお祝い事に対していただいた贈り物への返礼や、病気・けが・不幸ごとへのお見舞いや香典に対する返礼も「お返し」と呼ばれます。結論として、現在では「内祝い」と「お返し」の使い分けは曖昧になりつつありますが、いずれも「贈る気持ち」を丁寧に伝えるという意味で大切な礼儀といえます。

2. 何を贈ればいい?内祝い・お返しの選び方

贈り物の内容は、相手との関係や地域性、最近のトレンドなどによっても変わりますが、以下のようなポイントを押さえて選ぶと失礼がありません。

2-1. 金額の相場

内祝いやお返しの金額は、「いただいた品物の1/2〜1/3程度」が目安とされています。
たとえば、1万円相当のご祝儀や贈り物をいただいた場合は、3,000〜5,000円程度の品物が適切とされています。ただし、親族など特に関係が深い方には少し多めにすることもあります。

2-2. 実用的で消え物が好まれる

内祝いの定番は、食品・日用品・タオル・洗剤・調味料などの“消え物”が人気です。特に、東海エリアでは地元の特産品(例:静岡のお茶、愛知の味噌やお菓子など)を使ったギフトも喜ばれます。
また、カタログギフトも相手が自由に選べるという点で近年人気が高まっています。

2-3. 熨斗(のし)のマナー

贈る際は「のし」を忘れずに。用途によって水引や表書きの種類が異なるため、シーンに応じて正しく使い分けることが大切です。
・結婚祝いの内祝い → 「結び切り」10本、「寿」や「内祝」
・出産祝いの内祝い → 「蝶結び」5本、「内祝」
・快気祝い → 「結び切り」5本、「快気祝」

3. いつ贈ればいい?タイミングのポイント

内祝いは、いただいてから「1ヶ月以内」に贈るのが基本です。早すぎると形式的に感じられることもあるため、感謝の気持ちを込めて、適切な時期を見計らうのがベストです。また、お返しを贈る際には、手書きのメッセージやお礼状を添えることで、より丁寧な印象になります。

4. こんな時どうする?シチュエーション別の内祝い

手紙を書くのは少しハードルが高い…という人は、短い一言をカードに書くだけでも十分です。ギフトと一緒に添えることで、贈り物の印象がグッとアップします。
市販の母の日カードや、無料でダウンロードできるテンプレートなどを活用するのもおすすめ。最近はLINEやメールでメッセージを送る人も増えていますが、あえて手書きで伝えると、より想いが伝わりやすくなります。

出産祝いをいただいた場合

生後1ヶ月を目安に内祝いを贈るのが一般的です。赤ちゃんの名前入りのギフトや写真付きカードを添えると喜ばれます。

結婚祝いへのお返し

結婚式後、できれば1ヶ月以内に贈りましょう。両家の名前で贈るのが正式で、のしの表書きは「内祝」が定番です。

香典返し(弔事)

香典返しは、四十九日の法要を終えた後に贈るのが一般的です。相手が不幸に際して心遣いをしてくれたことへの感謝を、品物を通じて伝える形になります。
近年では、仕事の都合などから長期の忌引き休暇を取得することもあり、その間に香典返しをまとめて用意し、10日前後で送るケースも増えています。

5.東海エリアならではの風習にも注意

愛知・静岡を中心とした東海地方では、内祝いに特別なこだわりや地域性も見られます。たとえば…

・「きよめ餅」や「ういろう」などの地元銘菓を選ぶ人が多い
・親族や近所づきあいが濃い地域では、より丁寧な挨拶回りを重視する傾向
・年配の方には手渡しを好まれることも

こうしたローカルルールも、相手の世代や立場に応じて気を配れると好印象です。

6. まとめ:大切なのは「心を伝えること」

内祝いもお返しも、「何を贈るか」よりも「どんな気持ちで贈るか」が大切です。相手がどんな思いで贈り物をくれたのかを想像し、感謝の気持ちがきちんと伝わるよう心がけましょう。
迷ったときは、地域の風習や年長者のアドバイスも参考にすると安心です。大人のマナーとして知っておきたい「内祝いとお返しの基本」。ぜひ、この記事をきっかけに、あなたも贈り物上手になってくださいね。

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