「暑中見舞い」や「残暑見舞い」は、日本の夏の風物詩ともいえるご挨拶文化です。年賀状ほど浸透していないかもしれませんが、少し手間をかけたこの季節のご挨拶は、相手の心に残るもの。とくに東海・浜松エリアでは、お中元やお盆の習慣とあわせて、昔ながらのご挨拶文化を大切にしているご家庭も少なくありません。
この記事では、暑中見舞い・残暑見舞いの由来や違い、送る時期、現代における意味などをわかりやすくまとめました。慣れない方も、この記事を読めば「出す・出さない」の判断がしやすくなるはずです。
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暑中見舞いとは、夏の最も暑い時期に「お元気ですか?」と相手を気づかうご挨拶です。年賀状のように一斉に出すというよりは、日頃お世話になっている方やご無沙汰している方に個別で送るケースが多いものです。
その起源は平安時代にまでさかのぼり、当時はお盆に帰省する際に仏前へ供物を持参するという習慣から始まったとされています。江戸時代になると贈り物の文化が定着し、明治時代には郵便制度の発達により、ハガキでの挨拶として庶民にも広まりました。
残暑見舞いは、暦の上で秋を迎えてからも続く暑さの中で相手を気づかうご挨拶です。暑中見舞いとの違いは「送る時期」にあります。
種別 送る時期の目安
暑中見舞い:梅雨明け〜8/7立秋前
残暑見舞い:8/8〜8月末頃まで
※立秋の日付は年によって異なりますが、2025年は8月7日です。
暑中見舞いの時期を逃してしまった場合でも、残暑見舞いとして出すことで季節のご挨拶は十分に成立します。どちらにしても「暑さの中、体調を気づかう心」が基本です。
しばらく連絡を取っていなかった親戚や知人、ビジネス関係者に対して、気軽に近況を伝えるきっかけとして活用できます。「最近どうしているかな?」と思ったタイミングで送るにはぴったりです。
ハガキでの暑中見舞いは、デジタル時代の今だからこそ逆に目立ちます。形式張っていなくても、「丁寧で印象が良い」と受け取る人は多く、企業間や取引先との関係づくりにもおすすめです。
とくにご高齢の親族や恩師などには、こうした季節のご挨拶が今でもしっかり伝わります。メールやLINEよりも、ハガキの方が喜ばれる場面は意外と多いのです。
暑中見舞いは7月中旬〜立秋(8月7日)まで。残暑見舞いは8月8日〜8月31日までが基本です。時期がずれると「間が抜けた」印象になることもあるので、投函タイミングに注意しましょう。
暑中見舞い・残暑見舞いは、喪中の相手に送ってもマナー違反にはなりません。ただし、お祝いの言葉や明るすぎるデザインは避け、控えめな文面や落ち着いた色味のハガキを選ぶのが安心です。
SNSやメール、LINEで暑中見舞いを送るという文化は、実際にはあまり根づいていません。年賀状と同様、暑中見舞いをLINEスタンプや画像で送る人はごく少数です。 そのため、しっかり伝えたい場合やフォーマルな相手には郵送がベターです。とはいえ、「出さないのが普通」という今だからこそ、1枚のハガキがとても印象に残るものになるでしょう。
東海地方、とくに浜松市をはじめとした静岡県西部エリアでは、お中元やお盆を重んじる家庭文化が根強く残っています。そのため、暑中見舞いや残暑見舞いといった「季節の節目のごあいさつ」も違和感なく受け入れられやすい地域性です。 特にご親戚や古くからのご近所づきあいがある家庭では、こうした手紙文化が相手との信頼関係をつなぐ鍵になることもあります。夏のご挨拶に迷ったら、一度原点に立ち返ってみるのも良いかもしれません。
暑中見舞いや残暑見舞いは、ただの季節の形式ではありません。相手を気づかう、心を届けるためのきっかけとして、今の時代だからこそ価値があります。 手紙を出す機会が減った今こそ、一枚のハガキが相手の心に残る――。そんなあたたかいコミュニケーションを大切にしたい方にとって、暑中見舞い・残暑見舞いはとても有意義な習慣です。